自家消費太陽光発電設備と力率調整器
月次点検にて…
月次点検で電力メーターの確認をすると無効電力が大幅に増えていました。
何か変だなと思い原因を調査しました。
結論、自家消費太陽光発電設備設置後に自動力率調整器の設定を見直していないことが原因と思われます。
設備条件
設備条件は下記のような条件です。
- 自家消費型太陽光発電設備が設置されたばかり
- 自動力率調整器で進相コンデンサの入り切りをしている設備がある
- メーカー:三菱電機 型式:VAR-6Aの自動力率調整器
- 太陽光発電設備が運転している時の電力値が夜間の待機電力と近い値である
状況
まず無効電力の増加幅です。
同月の検針値の比較で昨年は162[kvarh]、今年は2,514[kvarh]の増加幅でした。
10倍以上の増加だったため何か変だなと感じました。
無効電力の増加でしたので、コンデンサ設備⇒自動力率調整器かな?と思い、取扱説明書を確認しました。
取扱説明書の中で、三菱電機製のVAR型の自動力率調整器は、「軽負荷遮断動作」という機能を持っていました。
軽負荷遮断動作:軽負荷時の力率の進みすぎを防ぐため、軽負荷遮断電力比率設定値から求めた電力値以下の軽負荷になると投入しているコンデンサを順次遮断する機能
(三菱電機 VAR-6A取り扱い説明書より引用)
こちらの設備も軽負荷遮断動作の設定値が30kW付近で設定されていました。
点検時の受電盤の電力メーターで20kWでしたので、軽負荷遮断動作が10kW付近になるように設定を変更しました。
変更後、自動力率調整器のコンデンサ投入タイマーが動き出し、投入しました。
最後に
推測ではありますが、自家消費型太陽光発電設備が運転している時の電力値が20kWだったため、自動力率調整器が軽負荷遮断動作域と認識し、力率が遅れてもコンデンサを投入しなかったものと思われます。
今回の10kWの設定値も正解かどうか不明なため、次回の月次点検時の無効電力の増加幅、力率の値などを見て、今後も検討してみます。
あとは反省ですが、状況証拠を残すための写真の撮り忘れが多かったので意識を変えていきます。