モールド変圧器の温度測定

月次点検でモールド変圧器を温度測定すると各部分温度が違い、どこを測定するのが温度管理として適正なのか疑問に思い調べてみました。


結論から言うと、変圧器の絶縁物の耐熱クラスの温度を超えてなければ良いと考えます。
明確な答えは見つからなかったので、「良いと考えます」との表現にしてます。
結論に至った経緯は以下3点です。

  1. メーカーの取扱説明書に温度管理点の記載無し
    最近測定したモールド変圧器が、三菱製のモールド変圧器だったため、三菱のモールド変圧器取り扱い説明書を読みました。
    取り扱い説明書内には、巻線部の管理温度については記載がありませんでした。
  2. 他社の資料でヒントあり
    他社の変圧器のことを調べていると、ダイヘンのHPで以下の記載がありました。
    「長期に安定して運転する為には、変圧器は使用されている絶縁物の※①許容温度以下で運転する必要があります。
     またその為には、絶縁物に隣接する巻線温度を管理する必要があります。」  (ダイヘンHP → リンク
     (※①許容温度:周囲温度最高値[40℃]+温度上昇限度[後述])
  3. 変圧器のJIS規格に温度上昇限度の記載あり
    JIS C 4306にも変圧器巻線と鉄心の※②温度上昇限度の記載がありました。
    (※②温度上昇限度:周囲温度に比して、どれだけ温度が上昇してよいかをあらわすもの)
     B種:75℃ F種:95℃ H種:120℃
    上記温度は抵抗法での温度になるため、温度計法より温度上昇限度が高くなります。

    正確ではありませんが、JEC-146交流機固定子巻線の温度上昇限度より、抵抗法と温度計法の差が
     B種:10℃ F種:15℃ H種:20℃
    上記の温度差がありました。
    これをJIS C 4306に適用すると
     B種:65℃ F種:80℃ H種:100℃
    温度計法だとこの温度で管理するのが、妥当なのかな?と感じています。

上記3点より、最初の結論になりました。


今回測定した変圧器はF種の変圧器だったため、私の中で温度の規定値は、モールド変圧器の最高温度地点が周囲温度(20~30℃)より80℃高い温度(100℃~110℃)までかなと考えています。
私はHIKMICRO B10の熱画像カメラで温度測定をしています。最高温度点が表示されるようになっており、瞬時に対象機器の最高温度を確認できます。
熱画像カメラは各社値段が高いですが、機器の熱状況が視覚的に分かるため重宝しています。